細菌部門

「抗酸菌のもつ病原性と感受性宿主における免疫応答に関する研究」

マウスの自然免疫関連性マクロファージ蛋白遺伝子(NRAMP-1)の多型性が抗酸菌の感受性にどのような影響を与えているのか、Mycobacterium aviumの感染モデルを用いて解析している。

 

「豚における非定型抗酸菌の免疫誘導性」

食肉検査場にて検出される豚腸管膜のリンパ節の乾酪壊死様肉芽腫形成は、非定型抗酸菌の感染を原因とすることが多い。宮崎県食肉検査場との共同研究として、実際の豚生体内において、このM. aviumがどのように宿主免疫応答をくぐり抜けて肉芽腫を形成するのか明らかにし、また宿主ではどのような免疫応答が起っているのかをサイトカインを測定することにより明らかにすることを目的としている。

 

ウイルス部門

「豚におけるウイルス性感染症に関する研究」

豚におけるウイルス感染症は、その伝播力の強さ、飼育状況から多大な被害を及ぼし、さらに宿主の免疫応答を抑制することにより、細菌などの二次感染などによりその被害を増大させる。宮崎県においても発生のある豚流行性下痢症(PED)、豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)の病原性解明、診断システムの構築を目指した基礎研究を行う。


「輸入ウイルス感染症に関する研究」

2014年に日本でも蚊媒介性ウイルスによるデング熱の流行が起った。この原因であるデングウイルスと同じ蚊によって媒介されるチクングンヤウイルスの流行が拡大している。チクングンヤウイルスの早期診断による流行拡大の抑制を目指した、迅速診断キットの開発に取り組んでいる。また、チクングンヤウイルスの侵入時に情報提供できるように病原性の解明、ワクチン開発などに関する基礎研究を行っている。